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ここで見たこと

絵描きのなんでもない日々です。トウキョー周辺。

2012/01/13 新宿NineSpices のライブ感想

365 music

 
 
新年一発目のライブ。
今日聴いたのは、毎度お目当てMenozと「優しくして♪」。
優しく〜は、いつぞや、ほんとにいつぞや、Lighter190Eの対バン、マーズかどこかで聴いたぶりかな。1〜2年ぶり。 
 
 
『優しくして♪』
マリンブルー、ローズ、蜂蜜色の光を身体中に散らして、微かに手をつないでステンドグラスに見とれる恋人たち。
高層ビルの街を望むガラスのバーカウンターで待ち合わせ、昼。落ち着いたときめき。
ネオン狂いの夜の高速遊園地。
 
 
『Menoz』→今日は映像的だった。あとでブログに起こします。ちょうよかった。きもちい。(Twitterより)
すっごいよかった。今日は感想、長いよ。笑 
 
 
(セットリスト)
 ファンタジア
 ウェザーリポート 
 A・SO・BO 
 海ホタルとゆりかもめ 
 現代のケモノ 
 
 
『音だし』
ナインスパイスでは、前もやっていた気がする、なんだかアジアンな音合わせ。これがどうしようもなく、もうたまらなくすき。だいすき。今日はみんなが手を重ね合わせて、「オーッ」って無言かものすごい小声でやっていた。静かw
 
『ファンタジア』
ひとの手の入らない、奥深い森に朝がくる。白々とした朝靄が明けて、みどりきみどりさみどり深緑が、それぞれの色を取り戻していく。小鳥のさえずりと、立ち上り始める清い花の香り。真っ白な子鹿が茂みからあらわれる。陽光が行き届くと一転、生い茂った森は急速に育っていく。繁茂、繁栄、成長、開花と放埒。空の一点を目指して、蔦を伸ばし枝を広げ葉を茂らせて、どんどんとぐんぐんと絡まりのびていく。ひとつぶんの森は、次第に形をつくる。おおきなおおきな、樹になって、あるぐるりには仄光る一輪花、あるぐるりには蛍の集まる蔦籠、あるぐるりには極彩羽の鳥たちの巣、あるぐるりには、きらきらと透過する新緑葉っぱたち。樹のかたちのもりは、どんどんぐんぐん伸びていく。地には花々が乱れ咲き、風がしだれを揺らし 花弁を散らす。
一転、
さっと幕をあげるように、薄藍色の夜がひかれて、パン(食のパンでも器具のパンでも)みたいな、黄金の、反射由来のやわらかい光の月があがる。樹の森の輪郭にかかるほどの、天空広がるムーンボゥ。渡りの野鳥の白い翼の群れ、夜に栄える虫たちの煌めき、月の光で開く蕾と、蓄光をじわりと発散しはじめる無数の発光石の幾つものいくつもの塊。草はらに渡る夜風は弦楽みたいに大気と夜を鳴らす。月虹の光の及ばないところでは、跳ねるように星たちが呼吸している。夜の活発に誘われるように、七色の光の帯も姿を現し、羽衣みたいに変幻する。月はますます輝きを増して、たまにちらりと、兎や、蟹や、女性の横顔が覗く。まるで光の粉が降っているみたいだ。
うつくしいかがやかしい魔法じみた世界は、視点がひかれてゆき、全容をみせていく。細部から遠ざかっていく。
こどもの寝顔のアップ。半端に開いた扉からの光で浮かび上がる、散らばった描きかけの絵。図書館のずうっと奥の、忘れられた古い本。瞬きの間に思い出した、いまでないいつか、いまでないどこか。
幻想幽玄の樹の森は、どこかの国のこどもの夢、だれかの描いた理想郷、昔むかしの伝承、或いは前世やいつかやダイモンや閃き。 
樹の森はまた朝を迎えようとする。 
 
『ウェザーリポート』
家じゅう寝静まった真っ暗な部屋で、唐突にテレビがちりと音をたてる。原色混交のノイズが走る、暗闇に真っ白な光が走る。ぢりぢりという音は次第に安定してきて、合わせて画面も調整されていく。
狐のアナウンサーが映し出されて、今夜の上空の様子を読み上げる。彼の後ろの壁に、映像があらわれる。
夜の島の、大陸の、上空。列島をつまめるくらいに俯瞰した上空で、遠鳴りや黒雲をあちこちに纏わせて、一頭の龍が、ゆるやかなゆるやかな自転で悠々と旋回している。たゆたう髭もひどくゆっくりで、雷は猫の喉のように安穏な音を鳴らしている。
濃灰色の鋼じみた龍のからだが透け、たくさんのメッセージが電子みたいに行き交っているのがみえる。眠れない者たちの、夜の淋しさ、苦悩、しょんぼりや、SOS。眠れない、孤独な 
夜の人々。かき乱す詩情。ひとつがぜんぶを崩してく。すぐ隣の腕なのに、限りない断絶を感じる。いつだって世界にたったひとりだ。
泣きはらした視界とか、ぐちゃぐちゃにしてしまった部屋とか、やみくもに漁るインタネットとか、そういうものにつかれきったとき、小腹を満たそうと立ったキッチンで出逢う。
シャーレ型の両手サイズの、底がうつくしいコバルト・ブルーの陶器に盛られた 母直伝のレシピとか、いつかだれかが自分のセンシティヴへ送った賛辞とか、部屋にあたりまえに散らばる、いろんなひとからの何気なかったり、真剣だったりする贈物とか、思いたって書く手紙の 宛先の友人の笑顔とか。こんなにもやさしい。
世界中に思い出の欠片が散らばっているから、歩くのすら容易にいかないこともあるけど、
世界中に思い出の欠片が散らばっているから、不意にみつけた宝物みたいに、きらりと光って得難い。
ぬぐう指のある、深夜の熱い涙みたいなもの。
 
(悔しいけど出勤)
(二日あけて、続き書きはじめます)
(2012/1/16)
(13153)

『A・SO・BO』 
夢なのか、地に足はついているのかわからない。
ただただ過ぎる時間はやわらかくてやさしくて、あっという間で、校舎と敷地にチャイムが鳴り響く。また今日が終わる。
素直に夕方に身をおとす。
陽が沈むまでもう少し、駄菓子屋さんの脇を通って、川原沿いの道を歩く。
もうちょっとで家だから、歩幅は小さくなっていく。
土手の分岐で立ち止まって、君がポケットからシャボン玉を出した。
川原じゅうオレンジ色で、灌木はシルエットで、まるでどこかのサバンナみたいだった。
二人してかわりばんこに、虹色の球を吐き出した。
週末だろうが平日だろうが、明日ってやつはどうしようもなく遠くて、こぼれたシャボン液に手がかじかんでも、ずっとそこに立っていた。つないだ手は、ごくごく緩く、ただ触れてるだけみたいに。
眠りにつく前に考える、約束じみた何か。
また明日。
永遠なんて知らないけど、それだけがどこか肯定的だから、疑いない気持ちで思い出せる。
またあそぼ。
思い出すのは笑顔だから、まるきりほっとして、いつのまにか、眠りについている。
シャボン玉とサバンナの中の学校の夢は、夢なのか起きているのか、わからなかった。
夢ならとてもやさしい。
ほんとうなら、息つける屋根だ。 
(もっともっとあそぼう。もっともっとおしえて。もっともっとわらおう)
「 あ そ ぼ 」 
  

『海ホタルとゆりかもめ
どうしようもなく暴力的な気持ちがある。
あらがいがたくて、一種の誘惑ですらある。好意をはねのけることで、好意を再確認する。この言葉に傷つく顔が嬉しい。捨て鉢な気持ちを膨らませて、傷つく前に包帯を巻く。たったひとりだって悲観をしきつめた、ウォーターベッドみたいなたゆたの快楽。とりわけ夜にそれは襲ってきて、甘美で、詩的で、自我で、センシティヴなので、切り捨てずに迎え入れてしまう。ときにいっそロマンティックですらあるのだ。ただただ肥大した自我なのだけど。
まっくらなまっくらなまっくらなまっくらなまっくらな 真実闇で、夜ではなくて、明けない空間を歩いている。走っている。視界は変わらないけれど、いつのまにか自分がのりものに乗っていることが解る。ゆりかもめ。車内は煌煌と白々と照らされていて、寒くはないけれどがらんとしている。車掌も乗客も、だれの気配もない。ただただまっくらなまっくらななかを、進んでいることだけが解る。一番目の車両で、進む先のまっくらがトリミングされている。
次第に、車内灯の反射以外の光が、車窓にちらつきはじめる。
ぽつ。
ぽつ。
ぽつぽつ。
ざっ と不意に巨大なネオン。けぶる東京の電波灯、大観覧車、レインボウブリッヂ、港、数々の夜景の一部。
つくりものめいたネオンにすがたを変えて、でもたしかにそれは、「ゆりかもめ」からの景色だ。
それぞれを通り過ぎるたび、からっぽの車両を思い出が通る。ざぁっと、草原みたいな波みたいな音を響かせて。
ざぁっ。ざぁっ。ざぁっ。ざざざ。
あのときや、あのときや、あの場所や、あの会話や、あのいつかや、あの視点や、あの嘘や、あの無言や、あのときや、あのとき。
ざざざざざざざざざざざざざ。
きみはひとりじゃないよって ぼくはどうしたってひとりだよ
ずっとともだちだよって ほんきでいってるの?
もっときみをおしえてよって そんなにきょうみないくせに
信じるのは快いけど 嘘だったらつらいから、先に疑ったふりをするんだ。ほんとかな。それはほんとにふりだった? それはほんとに疑った? それはほんとに信じてた? 誰より誰が信じてた? 誰がいちばん信じたかった?
これがただの自己愛だって 自分がいちばん知っていた。
煌びやかな夜は後ろへうしろへ小さくなっていく。目指す場所なら知っていた。
どんなに自己卑下が、自己憐憫が、自己愛がせめいでも、それはひとりって知っていた。
行き着きたいのは進みたいのは、選びたいのは駆け抜けたいのは、すてきなことをすてきって、共感できるところだった。つらいときにつきあうよって、そばにいれるところだった。不穏だって正直でいれる、嘘のない場所のことだった。興味と関心とだいすきでいれる、一緒の時間のことだった。
きみはひとりだよ ぼくもどうしたってひとりだよ
ともだちでいたいって ずっとおもえるかんけいでいたいね
そんなにきょうみはないけどさ いっしょにいるのはきもちいいね
この路地の、この町の、この駅の、この方向の、この国の、この時代の、この惑星の、この膨大な過去の選択肢のうえで、きみに逢ったよ。ぜんぜん違ういきものだった。それでもよかったそれがよかった。恥じないように、きちんと進むよ。わかりやすく、まっさらな好意で、居場所を教えてくれてるから、迷わないよ。その光を選ぼう。
向かう光が光量を増す。
まっくらなまっくらなまっくらなまっくらなまっくらな みちみちた過去、真実の闇を彗星のスピードで抜けて、
まっしろなまっしろなまっしろなまっしろなまっしろな 好意と嫉妬と関心と放置と興味と観察と断定と適当とときめきとねぎらいとにくしみと嘘と見栄と情けなさと自慢と万能感と無力感と信頼と疑念の世界!
感情はネオン、鉱石、輝石、鉱石、硝子、シンセサイザー、無重力空間の水、夕暮れのシャボン玉、よるの始まりの満月、太陽の悲恋、針葉樹のビリジアン、餅粉の煌めき、黒曜石の星図板、カッサンドラの瞳、星の欠片 まっしろな世界へ目の眩むような光たちを散らした、ハイスピードでハイテンションで高速変幻でまるでそう、万華鏡みたいな、まったくきらきらした様子だった。
一緒の世界。 
 
 

『現代のケモノ』

 
 
 
 
うーーー さいっこうにきもちよかった! 
上記の長い文章は そんな画が聴いてるとき 浮かんできたよー ってうのの表出、記憶の彫刻みたいなもの。ひとに伝えるには 随分荒いところがたくさんあるし、聴いてから、書くまでに、考えたことや思ったこととリミックスされている。「感想」っちゃこれ以上なく感想だけど Menozのすてきさってまったくつたわらないので、気になったひとは会場で逢いましょう(・∀・)ノ ワンダーだよたのしいよ。

Menoz公式HP → http://menoz.jp/
 
 
すてきな新年初ライブになりました。
細かいところをいうと、てつさんの音合わせのときやあちこちのあそびのあるギターサウンド、ゆういちさんの スティックの柄うちつける「あの音以外ない」間違いない神妙な昂揚、A・SO・BOサビのよしやさんのコーラスとケモノの四弦、同じくA・SO・BOのイントロのやすともさんキーボード並びにケモノメインサビがべらぼうな盛り上がり(わたしのなかで)、うみほたる部分のひかるちゃんのプロローグと、ファンタジアのまっすぐさ、ウェザーの頭に龍を登場させたところが非常にハイライトでした。ああきもちよかった。たまらん。
ナインスパイス、照明お花とか、ストライプ、出すようになった? 
 
 
私もいっぱいつくろう。ワンダー。 
(こんなに人生に食い込んでくると、溶け出さずにはいられない)