ここで見たこと

絵描きのなんでもない日々です。トウキョー周辺。

Audio-Technica ATH-PRO700 GD

 
 
『ほんとうの音楽』を知った。
音楽の聞き方を身に付けた。
音の気持ち良さを知った。
楽器の聞き分けが出来るようになった。
大きな重低音の官能を知った。
 
音がだいすきになった。
 
かつて3年間、吹奏楽で打楽器に打ち込んでいたにもかかわらず、ライブだってしょっちゅう行っていたのに、生演奏を聴く機会もわんさとあったのに、私はてんで、音楽ってものを判ってなかったみたいだ。
このヘッドフォンに出逢うまで。




 
2010年2月8日。
20歳のお祝いに 自分に買った、はじめてのきちんとしたヘッドフォン。
 
 
大型電気店で長いこと勤務していた知人に、たくさんヘッドフォンが売っている場所を訊いて、音楽傾向から、相性のいい機種もそれとなく検討に入れる為、訊いて、吉祥寺のヨドバシカメラに買いにいった。
 
2009年限定モデルの、黄金(きん)色のヘッドフォンはショーケースに入っていて、目を引いた。
 
何十個も試装してみて、耳馴染み、音馴染みが良かったものが、二つ残った。
テクニカのPRO700と、もう一つは、木製AKGのオープンエアダイナミック。10万円近くするので 即却下した。音は勿論、とても良いので、いつかいまの密閉式(PRO700)と一緒に二台使いできたらなあ、と思っている。
 
ずっと使いたいので、決めかねてふらふらとしていると、先のショーケース、金色のヘッドフォンが目についた。
一度目は気にしていなかった情報が飛び込んでくる。
これも ATH-PRO700 だ。

 
ぞわぞわ。
超合金、昔そんなふうな修飾語がつくおもちゃがあったよねえ。兄がいたので、くだんのおもちゃのあの輝きは、覚えている。
おもちゃみたいな、光。色。輝き。
 
ものを選ぶとき、私がいちばん重視するのは、デザイン。
正直デザイン8、9割だ。外観が気に入らないものを愛用できない。使わない。所有するのは無意味だ。
でも、すきなものなら。
 
そして私は、大事なものがおもちゃのようであることも、とてもすき。
更に言うなら(配色において)派手好きである。目立ちたがり屋でもある。
愛用中のiPodとの、カラーリング相性も抜群だ。

 
こうして Audio-Technica ATH-PRO700 GD は私のところに迎え入れられることになった。
 
20歳おめでとう。
はじめまして。可能なら一生よろしく。
 
金色のヘッドフォンしてるおばあさん、最高に恰好良くない?
 
 
購入してから半年が経った。
一度手を滑らせて落下させてしまい、けれど修理に出したらきちんと直って戻ってきた。
数ある帽子のなかでも、とりわけ大好きだったハット達をかぶらなくなった(残念なことに、ハットとヘッドフォンは共存できない)。
夏になり、冷房のきついところでないと汗ばんでお互いに良くないのだけれど、自室でタオルをかぶってまでも聴いてしまうほど。
浴衣のときだって鞄に入れて持っていって、電車の中で装着する。
普段の服装(洋装)だって、この黄金色がトップに来ることを想定してコーディネイトする。
 
 
もうきっとずっとだいすきだと、思う。